絹古彩(2)

正絹作務衣にふさわしい二つの色
さて次に色です。
この絹素材にふさわしく、さらに作務衣の風情を損なわない色が問題でした。単に色を付ければいいというものではありません。文献を紐解き、古い色彩帖(色見本)まで引っ張り出しての色探しでした。
基本は、昔から藍と並び格の高い色とされてきた<茶>と<鼠>です。この二色をそれぞれに何色も試し染めした結果、二つの色の採用を決定しました。
ひとつは<媚茶(こびちゃ)>。
少し黄色味を帯びた暗い灰黄赤色。この色は粋な色として江戸後期に大変流行しいた彩りです。正絹の優美さが、粋な彩りをさらに増してくれるとの判断です。
もうひとつは<鳩羽鼠(はとばねずみ)>。
この色は、わずかに紫がかった灰色。分かりやすく言えば文字通り“鳩”の羽を偲ばせる色で、鼠色の中でも渋さと若さが微妙に交錯した感覚的ま彩りです。
いずれも絹古彩と名乗るにふさわしい色が決定したのです。
光の違いで生じる彩りの変化も魅力!
出来栄えには自信があります。次で完成した商品写真をご紹介していますが、困った事が一つありました。
それは、本誌に掲載するための写真撮影でした。戸外とスタジオ内では微妙に色が変化するのです。
これは、正絹という素材の持つプリズム効果、つまり光沢の変化のせいなのです。しかし、これは絹の魅力でもあるわけですから、逆にこの絹古彩の特色として敢えて提示しています。
どちらの彩りがお気に召すか。それはあなたの感性にお任せします。どうぞ、じっくりご覧下さい。

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