正絹 謹寿角袖羽織(しょうけん きんじゅかくそではおり)

年賀の訪問に羽織は欠かせない――。とくれば、ここは別格の角袖羽織でとどめをさす。
極めつけの作務衣を着ての年賀のご訪問なら、羽織を忘れては、まさに画竜点睛を欠く…。
年賀の挨拶といえば、その人の新年にかける意気込み具合、決意の表明ともとれるもの。ならば、ここはひとつ、めでたさ尽くしの格調高き羽織を合わせ、堂々の主張にて参りましょう。
それも先様への尊敬の念を込めて、礼にかなった角袖羽織を颯爽とまとって臨んでいただきたいと思います。
「正絹刺子織作務衣 謹寿」と共布で仕立てたそのひと振りを合わせれば、作務衣と共に醸し出る気高い流麗さに思わず息を呑むほど…。その趣味の良さに大向こうから“いよっ!”とかけ声がかかりそう。この伝統美、決して着逃せません。

正絹刺子織作務衣 謹寿(しょうけんさしこおりさむえ きんじゅ)

正絹に綿起毛の裏地を…外見も着心地も最高峰!
正月という日本の様式美の場に臨むにあたって最もふさわしく、そして日本人に最も愛されていると言っても過言ではない、極めつけの彩りである黒を…という想いから生まれた新作は、慎み深く事を祝うという和の精神にふさわしく、「正絹刺子織作務衣 謹寿」と名乗ります。
黒と一口に言っても、その彩りは奥深きもの。刺し模様の質感が微細な白と黒の世界を展開し、全体の色彩感としては濃い鼠色を思わせる、これぞまさしく“黒刺子”。
この彩りと質感を流麗に気高く包み込んでいるのが絹ならではの輝き。なにしろ刺子に織るために、通常の三割近くも絹を多く用い、その光沢は刺子独特の凹凸を見事に際立たせています。
織りはもちろん刺子織。同じ太さの糸を浮き織りにして凹凸を付ける<崩し織刺子>という伝統の技法を採用することで、絹の輝き過ぎを抑え、総じて格調の高さを生み出しています。
さらに特筆したいのは、寒さの中でも凛々しいたたずまいを損なわぬよう、綿起毛の裏地を付けたこと。
絹と刺子の微妙な調和、そして温かさまでも手に入れるという贅沢さ…まさに、着る人を心身ともに満足させ、思わず人にも見せたくなる一着です。
日本のお正月にはやはり黒、それも刺子で…。最高のものを年頭から着る慶びを味わえるこの新作。
大黒柱に相応しい晴れの作務衣として、ぜひおまとい下さい。

正月おろしの<寿シリーズ>謹寿

<寿シリーズ>で“正月おろし”という方が急増
<作務衣で迎えるお正月>というご提案が、おかげさまで広く普及した影響でしょうか。作務衣に関心をいただきながらも、つい着る機会を逃していらっしゃる方や、「正月くらいはやっぱり和服でピシッと過ごしたいが、着物じゃちょっと窮屈だと感じていたんだ…」という方々から、お正月が作務衣を着始めるいいきっかけになったよという、実に嬉しいお便りがこの数年でたいへん増えました。
その傾向に応じて六年前にスタートした「寿シリーズ」も、おかげさまで毎年大好評。そしていよいよ、今年を寿ぐ新作は…?
人気の“黒刺子”を寿尽くしの衣装で仕立てた、誠にめでたい、そして皆様待望の一着と相成りました。

紫寿 袖付羽織・袖なし羽織(しじゅ そでつきはおり・そでなしはおり)

袖付きの羽織を合わせると、さらにお正月気分が…
<寿シリーズ>の作務衣に合わせて開発された「袖付羽織」。俗に言うところの”長ばおり”が喜ばれています。
作務衣の上からはおるだけで、いかにもお正月といった雰囲気が漂います。
素材は絹100%。裏地はポリエステル。すべりがよく、中の作務衣とからみ合うこともありません。

正絹総裏付作務衣 紫寿(しょうけんそううらつきさむえ しじゅ)

お正月用の作務衣<寿シリーズ>平成九年の新作は渋い”紫”で参ります。
作務衣で迎えるお正月――という私ども伝統芸術を着る会からのご提案は、愛好家の皆さまの間ですっかり定着したようです。
そればかりか、作務衣に興味を持ちながらまだ袖を通したことがなかった方や、”正月くらい和風で過したい。しかし着物じゃちょっときゅうくつ――”という方たちにとっても、このお正月は、作務衣初体験のいいきっかけになっているようです。
特に、この傾向に応じて4年前からスタートした<寿シリーズ>が大好評。毎年、その年の新しい彩りを、俗に言う”正月おろし”でお召しになる方が急増しています。
子の年から丑の年へ――縁起も込めた彩りの誕生!
さて平成九年、寿シリーズの彩りは?これが結構もめました。
常盤の松をイメージした「緑寿」、日本の国色を採り入れた「藍寿」から始まり、「銀寿」「墨寿」と続いたこの寿シリーズ。これを受ける目出たい彩りは、色の格からいっても、”金”か”紫”ということになります。
しかし、さすがゴールドの色の作務衣となると当会としても腰がひけます。ならば紫、ということになったのですが、これもストレートな紫色では派手すぎる……との声が多く頭を抱え込んでしまいました。
その時、『ネズミ年からウシ年へのバトンタッチだからネズミムラサキってどうでしょう』と若いスタッフからひと言。
ねずみ紫?! なるほど、いい感じ。スタッフ全員の顔がほころびました。
十二支の受け継ぎで縁起もいいじゃないか、という事で、ちょっと渋めにねずみがかった紫色に決定。名称はシリーズの慣例通りに「紫寿」と名乗ります。
もちろん素材は正絹100パーセント。上下ともに軽くて暖かい綿起毛を裏地として付けています。晴れやかな元旦の朝、絹の輝きに包まれて主の登場――ここは一発、格調高くキメていただきましょう。

正絹総裏付作務衣 墨寿(しょうけんそううらつきさむえ ぼくじゅ)

正月用に開発された<寿シリーズ>が大好評!
当会では、3年前からお正月用の作務衣として<寿シリーズ>を開発、毎年新しい作品を正月特集号にて発表させていただいております。「緑寿」「藍寿」を皮切りに、昨年は「銀寿」を発表。
前述のように10年前より一貫してご提案を続けてきたことも手伝ってか、このお正月用作務衣が大変なご好評。毎年、新しい彩りを、俗に言うところの“正月おろし”でお召しになる方が急増しています。
今年もすでに沢山の方から、「来年の色は何?」という問い合わせが寄せられる程の人気。この寿シリーズの作務衣が、素敵なお正月の実現に役立っているかと思うと、当会としても無上の歓びです。
寿シリーズに圧倒的な人気の黒が登場!
というわけで、今年の…というより新しい年のお正月作務衣は「墨寿(ぼくじゅ)」と名乗ります。
色にランクはありませんが、こと黒という色はまさに別格の感があります。実際、この色に対する思い入れは皆様も大変に強いようで、寿シリーズに黒を…というご要望は、圧倒的なものがありました。
あまり堅苦しい装いは嫌。かといってくだけすぎるのも、どうかと思う。
こんな方のために開発したお正月用の作務衣<寿シリーズ>が大好評。従来の和装に取って換わらんばかりの勢い。
絹の格調高さに、綿起毛による総裏付の温もり、加えて銀と黒の彩りがいかにもお正月。家族と和むも良し、客人を迎えるもまた楽しい。一着ご用意あれば、いつものお正月が、ぐんと新鮮に…。

正絹総裏付作務衣 銀寿(しょうけんそううらつきさむえ ぎんじゅ)

除夜の鐘を聞きながらワクワクしていた。元旦は少し早く起きて、身を清め袖を通す。ふわっとした暖かさが五体を包む。鏡の前に立ち衿を合わせ、ちょっとポーズ。銀の彩りが晴れがましい。やがて家族の者の声が騒がしくなる。さあ、ご主人様の出番だ。
晴れやかでめでたいお正月にふさわしく素材はもちろん絹、そして彩りは銀です。季節を考えて上下ともに軽くて暖かい綿起毛を裏地として付けています。
さらに、この銀寿専用として本格的な袖付羽織もご用意しましたので、どんなお客様への応接も礼を逸することはありません。
意識した途端に足が早くなる年末。お正月のご用意は早いに越したことはありません。

正絹総裏付作務衣 緑寿(しょうけんそううらつきさむえ りょくじゅ)

お正月にふさわしい絹の作務衣を総裏起毛ウールで仕立てた、正絹作務衣 緑寿。お正月に絹の作務衣が着たいとの声に応えて昨年発表した「総裏付」が大変な評判。今年も色違いを、とのご要望。
そこで格調の高さで人気の緑系作務衣「祇園松」の布地に総裏をつけ、暖かい正月用の正絹作務衣に仕立て上げ、「緑寿」と名付けました。
裏地はすべて“起毛ウール”で、その温もりが五体を包み、心の和みが実感できるお正月の主人公らしい作務衣です。

正絹作務衣 海松(しょうけんさむえ みる)

絹古彩にはじまった当会の正絹作務衣のシリーズは、その後、絹唐桟、絹天竜、絹刺子――と種類も内容も順調にその幅をひ広げてまいりました。そして、ここにご紹介する新作もまた、新しくスタートを切る正絹シリーズの第一弾となるものです。
新シリーズの特色は生地全体に絣っているいわゆる<霜降り>の仕上げにあります。このため、絹もその特徴である光沢やしなやかさだけではなく、さらに深みのある風合いを醸し出すことができています。
深緑に白い絣――その色合いは、浅海の岩の上に生える海草にちなんだ、<海松(みる)>という古色。磯の香りが漂ってきそうな味わい深い彩りです。
この「正絹作務衣 海松」は、お正月をクライマックスとするこれからの季節にもお召しいただきたく、上下とも総裏付で仕立てました。「暖かい上にすべりが良くて着やすい」とこの総裏仕立ては好評です。

正絹作務衣 祇園松(しょうけんさむえ ぎおんまつ)

絹古彩シリーズにさらなる彩りを求めて、今回、皆様にご呈示するのが緑色の新作「祇園松」です。この緑彩のご希望は当初より強くあったのですが、敢えてここまで待たせていただきました。順を踏みたかったからです。
光の具合によって彩りが微妙に変化
緑といっても、できるだけ押さえた色合いに仕上げました。と申しますのも、絹という素材は内部からの反射光が表面に透過して、鮮明度の高い発色が得られるという性質を持っているため、少し押さえ気味にしないと作務衣ならではの“渋さ”が吹っ飛んでしまいます。
名付けて「祇園松」。釈迦が説法した僧侶として知られる祇園精舎を思うも良し、また京都の花街に想いを寄せるのもまた良し…潔さと粋さを合わせ持つ一着です。
絹独特のぬめり(弾力のある柔らかさ)、さらりとした肌ざわりなど、着心地の良さも抜群。それに、普段着としてさり気なく“絹”を着る感覚――この気分が何よりでしょう。