作務衣靴(牛革)(1)

念願の〈靴〉をご紹介。これで作務衣の世界がグンと広がります。
作務衣の開発と共に、当会ではその周辺、関連商品も合わせてご提供してまいりました。特に、作務衣での外出時に欠かせない商品――袋物やバッグ類、羽織やコート、そして下駄や雪駄の履物まで他には見られない品揃えをしてきたつもりです。
ところが、ひとつ宿題として残されていたのが〈靴〉だったのです。と申しますのも、当会では作務衣の伝統的な様式にこだわらず新しい着方のご提案を続けていますが、下駄や雪駄だけではどうしてもその幅に限界があるのです。商品撮影のためにスニーカーなどを使用することはありましたが、ここはひとつ、作務衣に合う靴を、と思っていました。

正藍縮長袖シャツ

夏の日射しに藍がよく似合う。縮み加工で涼しさ抜群。
正藍染に“縮み加工”を施した本格的な夏のシャツ。縮み加工のため、肌との接触面が少なくべとつき感がありません。前ページの、「麻ジャケット」と合わせれば風格が演出できます。藍染めファンには嬉しい一枚です。

正藍染叢雲絞り染シャツ

正藍と万葉で染め上げたこの夏、注目の一枚――
素材は綿100%。藍染の伝統技法“叢雲絞り染”で染めた布地に、さらに植物染料≪茜(あかね)≫を加えて手染めしています。前述の「本麻ジャケット」と合わせればベスト。もちろん、このままでも注目のマトです。袖下のマチと、背中のプリーツタックでゆったりと着ることができます。

正藍染と草木染調のショール

夏の“冷え”対策。おしゃれなひざかけとして…
夏は暑いもの。だから涼しげな軽装になります。ところが、暑さ対策の方はどんどん進みます。たとえば冷房、特にお勤めの女性の間では“夏の冷え”は大きな悩み。そんなときに重宝するのが、ここにご紹介する「正藍染と草木染調ショール」です。肌触りの良い綿素材で色も写真のような正藍染。巾約50×長さ190センチのたっぷりサイズですから、腰から下をすっぽりとくるめます。このショールなら、冷え対策としてより、おしゃれなひざかけとして見る人にも評判となるでしょう。

パンツスーツ

陽射しの中を駆けていく、素材でさわやかな藍のイメージが、いま新しい…。
色の氾濫といわれる時代。この中にあってひそかに時を越えて息づく色がある。それが“藍”――ジャパン・ブルー。陽光を一杯に受けて育った自然の草葉から生まれたこの色は、どこまでも素朴でさわやか。しっとりと深い色調は見る人の心にしんしんとしみわたっていく。ここに紹介する藍染めファッションの数々は、年齢を問わぬ女性の美しさのメッセージ。

趣味の交差点(2)

これからの季節に食べられる野草。
【セリ(セリ科)】
春の七草を読み込んだ歌にも最初に出てくるおなじみの野草。全国の湿り気のある田んぼのあぜ道などに自生する。若苗や茎葉を食べる。ゆでて削り節をかけて食べたり、ゴマあえにするとおいしい。その他、天ぷらにしたり、漬物にしてもよい。
セリは、香草というべき野草なので、スズキやニジマスの腹に詰めて塩コショウし、とろけるチーズをまぶしてホイル焼きにすると美味。尚、五月頃「ドグゼリ」がセリと同じくらいの大きさに育つので、間違って食べないようにしたい。
ドグゼリの特徴は、地下茎がタケノコ状で大きく、直径4cm、長さ10cmにもなることがある。また、茎が太く中空で、高さ1mを越えるほど大きくなることもある。ドグゼリの葉は、鋭いノコギリ歯状をしているため、セリとは区別が付けられる。

趣味の交差点(1)

私たち日本人の身体には菜食がピッタリ
明治維新による文明開化以来、私たち日本人の生活は大きく様変わりしてきた。とくに食生活は、動物性蛋白質を中心とする肉食が増え、これと反比例するように魚や野菜をあまり摂らなくなってきた。
しかし、明治以前の日本人の食生活は菜食が中心で、動物性蛋白質は主に魚介類にたより、肉食はせいぜい鳥肉か卵を用いるかであった。こうした菜食中心の食生活を太古の昔より続けてきたため、私たち日本人の小腸は欧米人に比べてはるかに長い。
調が長いということは、逆に言うと、肉食には元来向いてないということだ。にもかかわらず、野菜をあまり摂らずに肉食ばかりを好んでするため、最近では便秘の人が多い。便秘は身体に非常に悪い。ほおっておくと、毒素が血液に逆流するからだ。
最近、若い女性の間で、肥満を気にして野菜サラダをたくさん食べる人が増えている。しかし、この野菜も、温室で促成栽培したものが多く、ビタミンやミネラルが極端に少なくなっているのが現状だ。
それに比べて、野草は太陽をたっぷり浴びて育っているので、味や口当たりは野菜より多少劣るが、栄養的にはむしろすぐれているものが多い。蛋白質・ビタミン・ミネラル類が多く、しかもセンイ分の豊富な野草で便通をよくし、身体に精気と活力を呼び戻したいものだ。

この夏は、ルーズファッション「甚兵衛」で爽やかに

すだれ、打ち水、行水、花ござ。高温多湿な日本の夏を少しでも涼しく過ごすために、先人はさまざまな工夫を重ねてきた。もっとも、木としっくいと紙で作られていた日本家屋は、現代人が考えるよりずっと涼しいものであったかもしれない。
だが、いずれにしても、むし暑い日本の夏。自宅でゆっくりくつろぐには、ぜひルーズファッションといきたいものだ。第一、身体にぴったりと張りつくようなタイトなホームウェアでは、暑い上にくつろげないからだ。そんな、夏場に涼を求めるくつろぎ着として、いま「甚兵衛」が静かなブームになっている。その爽やかな肌ざわりと風通しのよさが人気の理由だ。
この夏を爽やかに乗り切っていただくための、レトロ感覚あふれるルーズファッション「甚兵衛」。ぜひ一度、お試しになってみてはいかがだろうか?

本麻正藍染ジャケットとズボン(3)

作務衣づくりの体験が生み出した機能性!
染ばかりではありません。このジャケットやズボン、シャツには当会ならではの着る身になった機能性が秘められています。それはすべて、作務衣づくりの体験から生まれた知恵。つまり、作務衣のもつ“着やすさ”“動きやすさ”などの長所を流行の先端であるジャケットやズボン、シャツに生かしています。
一味どころか、二味も三味も違う夏の洋装――ほんとに今年の夏はお出かけが多くなるかもしれませんネ。

本麻正藍染ジャケットとズボン(2)

藍に見せない藍染。これが“通”の真骨頂!
いかにも夏らしいジャケットです。このところ、年齢を問わずジャケットが大変なブームです。気軽にはおれてシャツやズボンとの組み合わせも自由で幅広く、そのくせどんな場にも礼を失することがないとあって、とても便利で合理的。さまざまな素材や柄物が出まわっています。そんな中で、当かたろぐの巻頭特集としてご紹介するのですから、このジャケットは並みのものではありません。
集まる視線がここちよい。若い頃のお洒落感覚が甦り優越感にひたりながら陽射しの中を往く――。
このジャケット実は“正藍染”なのです。えっ?と思われるかもしれませんが、藍染めと思わせぬ藍染め仕上げ。その意味で、とても贅沢で奥深い藍染めジャケットだと自負しております。少し緑味がかったジャケットは、これでも三回も藍ガメをくぐらせています。俗にいうところの“白殺し”という染め上がり。藍染め序列でいうと“藍白”です。これが、本麻の生成りと交じり合うと何ともいえぬ染め上がりとなります。
まさに“通好み”の正藍染めというわけです。自分だけが知っているジャケットの秘密。なんだか着用するたびにワクワクしてしまいます。奥さまや息子さんのファッションにひけをとるどころがさすが!と思わせるおしゃれ感覚で胸を張ってお出かけください。