藍の潔さ、黒の剛毅。「吉岡流憲法染」(1)

藍を極めたからこそ出来る、更なる奥深さ――新しき藍への第一歩は、吉岡流憲法染と共に。
はるかな昔より、それぞれの時代の人々に愛されながら“藍”は悠久の旅を続けてきました。そして、代を重ねながら研鑽を怠らなかった染師たちの努力により、藍は、その濃淡は言うに及ばず、さまざまな柄や模様を生み出す技法に至るまで、今や一つの極まりを見せたといっても過言ではないでしょう。
その証としては、これまで私ども<伝統芸術を着る会>が、復元、開発を重ねてきた数多くの藍染作務衣が、藍染の何たるかをお分かり頂ける会員の皆様に快く受け入れて頂いていることでよく分かります。
藍の端麗、四方に輝きを放ち、憲法黒の剛毅、一途に潜む…これ、男子本懐の彩りにて、藍墨と称す。
しかし、これで藍の旅が唐天竺(からてんじく)まで達したとは思いたくありません。藍には、それを極めたところから始まる、更なる奥深さや可能性が秘められていると信じるためです。
藍の更なる求道の旅立ち。
その第一歩として、当会はここにひとつの彩りをご呈示したいと思います。単独の染めとしては頂を見た藍染の次なるステップは、他の染め技法との交わりにより生まれる――との判断から誕生した一彩。
相手として選んだのは、天下の兵法者の手により完成した「吉岡流憲法染」。特に、その黒染めの彩りは剛毅にして端正。もののふの心を現した銘彩です。
この吉岡の黒を再現、武州正藍染と合わせました。まさに墨交の交わりから生じた「藍墨」の出来栄えやいかに。じっくりとご照覧下さい。
◇「藍の潔さ、黒の剛毅。「吉岡流憲法染」(2)」に続く…

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