新年はご家族お揃いで――作務衣で迎えるお正月 (2)

それは日本人の新たな心意気
厳かな中にも、ぬくもりとくつろぎに満ちたひととき――私ども伝統芸術を着る会では、そんなお正月を実現するために、創設以来一貫して<作務衣で迎えるお正月>というライフスタイルを提唱し続けてまいりました。
しかし、作務衣を着て、和の精神論を滔々と語っていただきたいというのではありません。
佳いものは黙っていても相通じると申します。
大黒柱が正月おろしの作務衣に袖を通し、ずいと上座に居座るだけで、まさに以心伝心。
ご家族の方々の心に情憬の思いをいだかせ、謙虚と粋を併せ持つ和の伝統の心意気がじんわりとしみ渡るのです。
ご家族で作務衣姿。温かな団らんもひとしお…。
そこで、<作務衣で迎えるお正月>をより一歩進めたご提案をひとつ。
一家の長に、新春に相応しい作務衣を着ていただきたいのはもちろんなのですが、年賀といえば、例えば一家をお構えになったご子息や、嫁いでいったお嬢様方と久方ぶりに絆を確かめ合う目出度いお席でもございます。
あれこれと思い出話に華が咲き、身内ならではの遠慮のない温もりをしみじみと感じながら夜も更け、お泊りになられることは当然のこと。
そのご家族のお着替えとして、作務衣をご用意されてみてはいかがでしょう。
三箇日に皆さま揃って粋な作務衣姿。
むこ殿と時を忘れ杯を交わすもよし。童心に返り、皆が揃って双六のひと振りに歓声を挙げるもまた一興。
実に粋な情景と相成るに違いありません。
着るだけで和の佳さが伝わる、日本の伝統着――作務衣が、ご家族の絆を深めることにも役立てば、作務衣の専門館として決意も新たな当会として、これほど嬉しいことはございません。

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