作務衣進化論(2)

常に新しいスタイルの確立を求めて・・・。
伝統芸術を着る会が提唱する作務衣の基本である、素材は綿、染めは藍という形は、今や毎日の暮らしの中で自由に着こなす普段着として幅広く認識され、愛用される方が増幅し、静かなブームとさえなっている感があります。
そこへ加えて、“新・作務衣”の登場により、作務衣の世界が一段と豊かなものになることは間違いありません。
しかし、伝統芸術を着る会では、それ以前から、あくなき挑戦を続け、新たなるスタイルの確立を求め続けていました。
例えばそれは「袴アンサンブル」と呼ばれる新様式。
これは、作務衣に袴を合わせ、それまでにない野趣あふれる凛々しさと、個性的なフォーマル感を愉しんでもらおうという新スタイルで、今ではパーティーへ参加する際に着るなどTPOも多様化し、定番化しているとのこと。
また昔ながらの素朴な手刺子と正藍染を融合させ、すべてが手仕事と云う贅沢な過程を経て、現代風のデザインで仕立てた高級感あふれる希少価値の高い作品を登場させるなど、その手法は、いわば自由自在な温故知新。
それは逆に云えば、それだけご愛用者の方々の目が肥え、豊かになったことへの対応の如実なあらわれと云えるでしょう。
新しい時代の到来と共に産声を挙げた、古き佳き素朴さの中にも“豊潤に香り立つ新しい粋”を放つ作務衣の資格なのかもしれません。
【写真】
・次世代へ羽ばたく新・作務衣。陣羽織風の個性的で凛々しい羽織が特徴の一着です。
・フォーマルも、より個性的に。作務衣と袴を合わせた新様式、袴アンサンブル。
・手刺子、正藍染めで、手仕事。月産30着という希少な品。

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