“心の書斎”と呼ばれる作務衣の魅力を問う(2)

素材、意匠ともに装いとしてまさに完璧…
作務衣の素材の基本は綿、染めは藍。つまりすべてが天然、自然の恵みにて創られたもの。作務衣を着ると、どこか懐かしく、ほのぼのとした安らぎを感じるという方が多いのは、そんなところにもあるのかもしれません。
前述したように作務衣は、もともとは僧侶が作務を行う際に着用するために生まれた作業着です。それは、歩く、座る、身体を動かすといった、人間本来の基本の動きに基づいたもの。しかし、私たちが今過ごしている毎日は、そういった身体を動かして働くという基本からは、ほど遠くなってしまっている気がします。
現代において作務衣がブームになっている背景には、煩雑な生活の中で私たちが忘れかけていた“人間らしさ”を、肌を通して思い出させてくれるからなのでしょう。
【写真】
先人が生み出した優れた意匠の冴え。身体の動きを綿密に計算して創られた和装の傑作品。
1、衿に芯を入れ込むことにより衿元の着崩れを防ぐことはもちろん、寒い季節における風の吹き込みをも防ぐ。
2、ゆったりとした身頃から先細りへと続く筒袖は動きやすさを重視したもの。
3、身幅に適度な余裕を持たせ、身体の動きに自在に対応。座る、立つ、基本動作も非常に楽。
4、腹部を締め付けないヒモとゴム仕様にて着こなしも楽なズボンはポケット付で何かと重宝。
5、ズボンの裾はゴム入りで、歩く姿も凛々しく引き締める。足元から入り込む寒風もシャットアウト!

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