武州交織作務衣開発秘話(2)

満を持しての登場!おなじみ武州の名コンビ。
「そろそろ来るころかなと思ってたよ。また難しい問題を抱えてさ…」とニヤリ。
武州藍ひと筋に40年近く、そろそろ70歳を迎えようかというベテラン藍染師の秋元一二さんは相も変わらず飄々として余裕たっぷり。相方のイッサンはすでに試作に入ってるよ、と教えてくれました。
石塚久雄さん。独創的な作風で表彰、受賞は数知れず。創織作家として活躍中。
仕事場を訪れてみると、案の定30メートル単位の試作反物に埋もれて頭をひねっています。秋元さんと共に依頼の件を話すと、まぶしそうにこちらの目を見て「横のラインにアクセントかなぁ…」と意味不明な言葉をぼそり。石塚さん完全に入っています。
「藍と草木の交織でやってんだよ。ホラ、ここまで出来てるがね…」と試作を見せてくれました。いい色合いじゃないですか。というと、くるりと振り返り、ジロリと怖い顔。
「表情が無いんだよ。秋さんの藍糸は文句なし。問題は横に打ち込む草木の糸。何かひとつ決め手に欠けるんだ。もう少し考えさせてくれ…」
こうなったら任せるしかないよ――と秋元さんの目が語っています。

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